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松の物理学勉強帳

実験で理学修士取得後、16年のブランクを経て再び書を手に取った筆者の物理学学習メモ。素粒子に向かっています。初学者の助けになればいいなと思います。また、ツッコミお待ちしております。

2.1 古典力学の運動法則(2)

ハミルトン形式の運動の記述

$${\bf \dot{p}} = {\bf F}({\bf q})~~~~~~~~~~~~(2.7)-1$$

とすると、

$${\bf \dot{q}} = \frac{\bf p}{m}~~~~~~~~~~~~(2.7)-2$$

となる。(2.7)-2は、運動量の定義式となる。

エネルギーを\(p\)と\(q\)で表したものをハミルトニアンという。ハミルトニアンによって、系の性質が決まる(ポテンシャルの形とか、そういった情報がハミルトニアンには入っている)。今の場合だと

$$H=\frac{{\bf p}^2}{2m} + V({\bf q})~~~~~~~~~~~(2.8)$$

これ\(p,q\)でそれぞれ偏微分すると、ハミルトン方程式\((2.9)\)が得られる。

$${\bf \dot{q}} = \frac{\partial H}{\partial {\bf p}},~~~~~~{\bf \dot{p}} = (-\frac{\partial V}{\partial {\bf q}}) = -\frac{\partial H}{\partial {\bf q}}~~~~~~~~~~~~~~~~~(2.9)$$

多体系にもこれは使えて、一般化座標と運動量を\(q_i, p_i\)と書くと、

$$\dot{q}_i = \frac{\partial H}{\partial p_i},~~~~~~~~\dot{p}_i = -\frac{\partial H}{\partial q_i}~~~~~~~~~~(2.10)$$

を解けばいい。要は、物体1の\(x\)座標と\(x\)方向の運動量を求めたければ、\(q_i=x, p_i=p_x\)として解いてやればいいわけです。

ここで、座標と運動量を\(q, p\)で系を表してきましたが、これをいじって、\(q\)と\(p\)の関数である\(Q(q,p), P(q,p)\)で系を表そうとしたらどうなるか考えます。簡単のため、これからしばらくは、物体は1個、一次元、すなわち一個の質点がx軸上のみを動く場合を考えます。このとき、もちろん\(H\)の形式も変わって、\(H'\)みたいになる。この\(H'\)と\(Q,P\)で

$$\dot{Q} = \frac{\partial H'}{\partial P}, ~~~~~~~~~~~\dot{P} = -\frac{\partial H'}{\partial Q}$$

と表せる場合、これは同じ物理系を扱っていることになります。このような変数\(Q,P\)を正準変数と呼び、このような\((q,p)→(Q,P)\)の変換を正準変換といいます。このPCは真っ先に「清純変換」と変換しやがりました。

とはいえ、どんな座標変換も正準変換になるわけじゃありません。正準変換になるための条件があります。それは、ヤコビアンが1になること。

ヤコビアンとは何ぞやといいますと、ポアソン括弧式

$$\left\{A,B\right\}_{q,p} = \frac{\partial A}{\partial q}\frac{\partial B}{\partial p} - \frac{\partial A}{\partial p}\frac{\partial B}{\partial q}~~~~~~~~~~~~~~~(2.11)$$

を定義した場合の

$$\left\{Q,P\right\}_{q,p}~~~~~~~~~~~~~~~~(2.14)$$

のことです。すなわち

$$\frac{\partial Q}{\partial q}\frac{\partial P}{\partial p} - \frac{\partial Q}{\partial p}\frac{\partial P}{\partial q}$$

です。たとえば、物体の座標の原点が、ある速さ\(v\)で動いている系に変換したとすると、

$$Q=q-v, ~~~~P=p-mv (mは物体の質量)$$

みたいな感じで書けるわけですが、このときのヤコビアン

$$\frac{\partial Q}{\partial q} = 1,~~~\frac{\partial P}{\partial p} = 1$$

$$\frac{\partial Q}{\partial p} = 0,~~~\frac{\partial P}{\partial q} = 0$$

から、1となることが分かります。よって、座標の原点が等速直線運動をしている系に座標変換したとしても、同じ物理系を扱っていることになるわけです。

あと、ポアソン括弧式で重要なのは、ある物理量とハミルトニアンとのポアソン括弧式は、その物理量の時間変化に等しいこと。

次回は、ヤコビアンが1なら本当に\(Q,P\)が正準変数になるのかというのを確かめてみたいと思います。

この本を読んでいる人が、ここら辺の説明を必要としているのか非常に疑問だけど、自分用のメモとして、あとLaTeXの練習として(笑)、次また書きます。